事業再構築補助金は過去にない予算規模・補助額で、多くの企業が新たなチャレンジに向けて活用しています。売上減少要件はありますが、年間の売上高は上昇していても月別に見ていくと多くの企業で要件を満たす場合が多くあります。
事業ブラッシュアップ
これまで7回の締切があり、当社では23件の申請支援をさせて頂き21件の採択を提供することが出来ました。不採択だった2件に関しては当社の力及ばず、お客様の投資計画もあり補助金なしで事業を進行されています。23件中、21件の採択ですので約91%の採択率となります。全国の採択率は50%程度のですので、お客様に高い価値を提供できていると自負しています。
この高い採択率を当社なりに分析しますと、大きく3つの工夫があります
- 事業のブラッシュアップ
- 収益計画の深掘り
- ビジュアルにこだわった計画書
1.事業のブラッシュアップ
当社に依頼が来る段階では「投資したい内容だけ」決まっている場合が多いです。例えば『新しい設備を入れたい』『店舗を改装したい』『この新商品を売っていきたい』などです。決して事業計画とは言えないレベルで、経営者の“思い”のレベルです。
当社ではこの”思い”を一通りヒアリングし、事業計画書のアウトラインを書きます。このアウトラインを各段階で、当社がこれまでコンサルティングしてきた経験をもとに事業化に向けた課題やリスク、アイデアなどを提示します。この問いかけに対して経営者から意見や情報を抽出し、事業計画書の完成を目指します。
この作業によって経営者の考えが整理され、より具体的かつ実現可能性の高い計画へとブラッシュアップされます。
2.収益性の深掘り
当社には、過去の回で不採択だった計画書が持ち込まれることも多くあります。その計画書に多いのは、収益計画の根拠があまりにも薄いことです。単に売上高だけが記載されていたり、営業利益・人件費・減価償却費の関係がアンバランスだったりします。
売上高は、少なくとも「単価」×「数量」に分解すべきですし、出来れば「商品別」「市場別」「顧客層別」「平日⇔休日」などで層別できるとなお良いですね。
営業利益に関しては、人件費や減価償却費が上がれば営業利益はマイナスに働きますが、そうした関係性を無視して記載されています。営業利益もプラス2000万円、減価償却費もプラス2000万円だと、実質の営業利益は4000万円増えていることになります。逆に減価償却費が逓減していっても、営業利益の伸び率が一緒というのも不自然です。
審査員は経営コンサルタントなので、数字の違和感には敏感です。
3.ビジュアル
ビジュアルには相当こだわります。
- 項目立て、項目番号付け
- 箇条書き
- 比較表
- 写真・工程フロー図・前後比較図
- 挿し絵のタイトル、参照元記載
- グラフ
- インデント(段落揃え)
- 色使いの統一
などなど
「こんなにきれいな計画書にまとめてもらって採択されなくても満足」と言われる事も度々あります。かなり手間暇かけて作ります。イラレやフォトショップを使って図を一から作る事もあります。審査員からしたら見やすい計画書だと自負しています。
ちょっと自慢のようになってしまいましたが、もしご自分で事業計画書を書く場合は上記3点に注意しながら書いて頂くと、より良い計画書になると思います。そして、第三者にチェックしてもらうのもコツです。家族でも知人でも取引先でも誰でも構いません。その第三者を審査員だと想定して、どうしたら自分の気持ちが正しく伝わるのか、楽しく読んでもらえるのか、を考える事がとても重要です。当社は補助金審査のお仕事も頂いていますが、物語として面白く楽しい気持ちになる計画書は高得点が付きやすいです。
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